区分所有法では、「集会を開き規約を定め及び管理者が置くことができる(第3条)」と定められており、標準管理規約においては、「役員は組合員のうちから総会で選任される(第35条第2項)」、「理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事の互選により選任する(第35条第3項)」と定められていることから、法律上、必ずしも役員になることを強制的に義務付けているわけではありません。
2001年に国土交通省から告示された「マンションの管理の適正化に関する指針」においては、「管理組合を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分認識して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要がある」と努力義務が課せられています。
しかし、役員を辞退する方が増えると、管理組合の運営そのものが成り立たなくなります。
ご高齢の方や、長期の病気等、実質的に役員活動が不可能な場合は、管理組合で対応を協議する必要がありますので、管轄事業所までご相談ください。
立候補に関しましては、その受付時期や方法等、マンションによってルールが異なりますので管轄事業所までご相談ください。
管理組合にて協議する必要がありますので、管轄事業所までご相談ください。
「理事会役員について」「管理組合と管理会社の関係」をご参照ください。
区分所有法では、「管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う(第28条)」と明記されており、標準管理規約では「理事長は、区分所有法に定める管理者とする(第38条第2項)」と明記されているため、管理組合の理事長は管理者にあたり、民法上の委任の規定に従うと解されます。
標準管理規約第35条において、理事及び監事は、組合員の中から総会で選任され、その専任された理事の中から互選により、理事長、副理事長及び会計担当理事が選任されますので、理事も同様に委任の受任者としての義務を負うことになると考えられます。
民法の委任の規定に従い、理事の義務について考えた場合、まず、善管注意義務が挙げられます。
善管注意義務は、「善良なる管理者」の注意義務ということであり、義務者の職業、その属する社会的・経済的な地位において、一般的に要求されるだけの注意の程度をいい、管理組合の理事が、保有すべき注意義務の程度を指します。
何らかの管理責任を怠り、損害が発生した場合は、この委任の規定が法的根拠とされ、善管注意義務違反に基づく損害賠償請求が行われます。
また、民法第645条では「受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない」と明記されています。
そのため、区分所有法第43条では、この民法の規定を根拠に「管理者は集会において、毎年一回一定時期に、その事務に関する報告をしなければならない」と明記されています。
総会における報告も受任者としてその義務を果たす必要性があります。
また、その他の責任については、民法第646条、647条に基づく、受取等の引渡義務、金銭不正消費の賠償義務等が挙げられます。
なお、この場合における委任者は管理組合であり、個々の組合員が委任者ではありません。個々の組合員からの個別的な説明を求められても、これに応ずる義務はありません。